淡水二枚貝の調査(2021年3月19日)
20210303の調査
某県において、淡水二枚貝の専門家がおらず、その基礎的な知見がほとんどない。
淡水二枚貝の基礎的な知見を集めるためにも、生息密度の調査を行う必要がある。
そこで、近々護岸整備されそうなクリークで淡水二枚貝の生息個体数の調査を行った。
詳細は調査記録が公表されてから紹介しようと考えているが、今回はその調査の中で、どのような種が採集することができたかを一部紹介する。
(随時更新していく予定です。 2021年3月19日)
① マツカサガイ属
この水系では、なぜか多く見かける。
九州北部では、イシガイが多く見かけられるらしい。
ニセマツカサガイとマツカサガイ区別をしていないため「マツカサガイ属」とした。
② イシガイ
この水系では、比較的低密度であると思われる。
見つけるとうれしい。
③ ドブガイの仲間
ドブガイの仲間を種まで同定するスキルがないため、このような表記にした。
④ キュウシュウササノハガイ Lanceolaria kihirai
2019年に新たに学名がついた(Kondo 2019)。
個人的に好きな淡水二枚貝
なぜこんな形になっているのか?
この形態の適応的な意義が非常に興味深いと思っている。
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引用文献
Kondo, T., Hattori, A. 2019. A New Species of the Genus Lanceolaria (Bivalvia: Unionidae)
from Japan. VENUS. (1-2):27-31. https://doi.org/10.18941/venus.78.1-2_27.
20210219_定期調査
久しぶりに、S県へ赴き少し調査した。
その結果を記録する。
努力量20分で投網とサデ網を使い分けて採集した。
久しぶりに投網を打ったので、腕がだいぶん落ちていた...
以下、採集した魚種
① ヤリタナゴ Tanakia lanceolata
最も多く取れ、ほんのりと婚姻色が現れていた。
婚姻色MAXの個体は、非常に美しいためその時期になるのが待ち遠しい。
メス腹部は膨らみ、産卵管がちょろりと出ていた。
② アブラボテ Tanakia limbata
一個体確認。ここで採集するのは稀。婚姻色が現れると非常に美しい。
尻びれがものすごくいい!!
③ カネヒラ Acheilognathus rhombeus
ここでは初採集。けっこう上流のほうでは、よく見られる。
移動してきたのか、それとも近くに生息場所があるのか...
淡く色づいてきた。タナゴの中でも比較的大きく成長する。
④ カワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus variegatus
ここは珍しく、カワヒガイのたまり場であった。
ここだけ一年を通して、個体数が多い印象。
婚姻色&追星は、未発達。
⑤ カワムツ Nipponocypris temminckii
最近は、この水系で増えているらしい。
昔はオイカワが優占種であったようだが、ここ最近の優占種は本種のようだ。
調査場所では、本種の大きな群れを確認している。
⑥ オイカワ Opsariichthys platypus
昔の優占種。優占種の置き換わりは興味深い。
婚姻色は、まだ合わられていない。
少し上流に行くとハス Opsariichthys uncirostris が見られる。
ニッチがかぶっていると思うのだが、この二種は同所的によく見かける。
ひょっとすると、オイカワが優占種でなくなったのは、ハスと何か関係があるのだろうか?
⑦ ヨシノボリの仲間 Rhinogobius sp.
よく見かけるが、分類が沼であるため、素人である私はこれ以上の言及を避ける。
下の2個体は、トウヨシノボリのような気がするが...
採集できたのは、以上
タナゴ類とヒガイが多かった。
この調査場所は淡水二枚貝の生息個体数が多く、これらに産卵するために、
タナゴ類とヒガイが、集まっているのではないかと考えられる。
このような記録をきちんと残していくことは重要である。
いつかこの考えをまとめたいと思っている。
今日はこんなところで
「新種の発見」を読んで
こんにちは。
アリスジです。
「新種の発見ー見つけ、名づけ、系統づける動物分類学ー」という本を読んだので感想を書こうかと思います。せっかく読んだので、書きます。
ところで、私はアリアケスジシマドジョウ Cobitis kaibarai (以下、アリスジ)の研究をしています。
実は、アリスジは最近学名の付いた生物です。
学名がついてくれたからこそ、論文を書くことができています。
つまり、私は分類学の恩恵を受けているのです。
もし、学名がついていなければ、私はアリスジについて論文どころか、
研究すら出来ていませんでした(卒業できない...)。
私は、上述のとおり生態学の研究をしていますが、研究室のボスは昆虫の分類を専門としています(無理言って、自分の好きなことを研究させてもらっています汗)。そのためなんとなく分類学に触れる機会がありました。しかし、きちんと分類学とは何かを学んできませんでした。
この本を読むと、
分類学とはそもそも何か、新種をどのように見つけ、世に公表するのか、分類学のトレンドや将来はどうなるのかなど、分類学という一つの学問を俯瞰することができました。
分類学の門をたたこうとしている人には必読かと思うのですが、生態学を研究している人も一読して損はないかと思いました。
リンク
新種の発見-見つけ、名づけ、系統づける動物分類学 (中公新書 2589) | 岡西 政典 |本 | 通販 | Amazon
次は、「すごい進化」を読みます。
忘れていたこと
今日思い出したのだが、
今年の7月に国際学会で発表する予定だったことを忘れていた。
本来は去年の7月にヘルシンキ(フィンランド)である予定であったが、COVID-19のおかげで、延期になりしかも、オンライン上でやるらしい。(フィンランド行きたかった...)。
ここで一つ問題がある。
私の英語力がゴミであるということである。
英語力はというと「This is a pen.」をネイティブっぽく言える程度で、現段階では絶望的である。何事も挑戦という精神で、自らエントリーしたが内心ちょっと後悔している。しかし、挑戦する以上は一生懸命やる!
そこで、今日から英語の学習をしていくこととする。
目標としては、自分の発表する内容を英語で説明し、質問に答えれるようになることである。そのためには、スピーキングおよびリスニング能力を伸ばさなければならない。
今までライティングとリーディングは死ぬほど勉強してきたが、スピーキングとリスニングはあまり勉強してこなかったため、非常に苦手である。
私と同じような人は多いのではなかろうか。
これから毎日少しずつ勉強していき英語でプレゼンできるように仕上げていく!
心機一転
こんにちは。
アリスジです。
1月4日から仕事の方も多いかと思います。
億劫ですね。
次の年末年始が待ち遠しいです。
さて、私はSG県から隣県へ引っ越しました。
引っ越す前は、自転車で5分の所にヤマノカミやタナゴ類のとれるクリーク(農業用水路)があったため、論文執筆の進みが遅かったです。
私を外へ誘いだすような環境がそこにはありました。
現在のところは、都市の中にあり、比較的海に近い場所です。
結構、都会です。
今まで生きてきて、都会&海に近いところに住んだことのない田舎もんにとっては、今後どのような生活が待っているのか楽しみです。
SG県の有明海内湾部に住んでおり、泥干潟を長く経験していたため、砂干潟に生息する生物に出会えると思うと待ち遠しいです...
期待が膨らみますが、しばらくは執筆活動に精力的に取り組みたいと思います...